従来の解決法との比較
従来の解決法
不眠を抱える人たちに、より健康的なライフスタイルや睡眠習慣を身につけるようにアドバイスされることがよくあります。具体的には、リラックスすること、スポーツすること、いつも同じ時間に布団に入ること、などです。しかし、そのアドバイスは守られないことが多いのが実状です。実際に守ることは難しく、自分の習慣を変えて、ほとんど実現しない習慣を身につけることが求められます。
睡眠導入剤は、長期服用することの悪影響(1 年に 18 錠でも悪影響あり)が証明されており、一時的な解決策にしかなりません。
ほとんどの場合、睡眠障害はストレスが原因(下の研究を参照)で、より具体的に言えば(マイクロストレスを含む)ストレスマネジメントの問題です。これらの障害を抱える人たちは、自分で「リラックス反応」を刺激するための適切なストレス管理法をほとんど知りません。リラクゼーションセラピー、メディテーション(瞑想)、ヨガなどは、これらの問題に直接働きかける効果的な解決策ですが、多くの時間やお金を投じる必要があります。
Dodow なら、これ 1 つで解決します
Dodow は、大量の時間や経済的投資を必要としないオールインワン・ソリューションを提供していると、私たちは考えています。
私たちの解決策では、メディテーション(呼吸への意識)、ヨガ(ゆっくりとした呼吸と腹式呼吸への意識)、認知行動療法(逆説志向)を組み合わせています。それによって、成功する確率を最大限に大きくし、ユーザーがよく眠れるようにすると共に、「自分には眠る力がある」という自信を取り戻してもらいます。数ヶ月もすれば、Dodow なしでも普通に眠れるようになるでしょう。
Dodow では、睡眠の邪魔になるストレスの影響を打ち消すことで、素早く、効果的に、自然な方法で眠れるようになることを目指しています。体内リズム睡眠障害(例:時差ボケ)に悩んでいる方にも極めて効果的です。
影響を受けたアイデア
不眠症の多くの事例が、自律神経系障害によって引き起こされています
科学的データ
交感神経系の活性化と不眠症状の間の相関関係は、多くの研究で示されています。
- Chronic insomnia is associated with nyctohemeral activation of the hypothalamic-pituitary-adrenal axis (2001) — ペンシルベニア大学で行われたこの研究は、自律神経のバランスの乱れが不眠に与える影響を明らかにしています。自律神経系のバランスの乱れは、体内リズム障害よりももっと重要な影響を与えているように見えます。「これらの発見は、睡眠不足というよりも中枢神経の過覚醒の問題と一致する部分が多い。睡眠不足では、通常、コルチゾール分泌量は変わらないか減少し、体内リズムが乱れるものである。」
- Sleep onset and cardiovascular activity in primary insomnia (2011) — この研究では、不眠症に悩む人 8 名と普通に眠れる人 8 名が被験者となり、普通に眠れる人では(交感神経系の活性の低下により)自律神経系の活動レベルが安定レベルまで戻ったものの、不眠症の人では交感神経系の活性が高いままであったことが報告されています。「これらのデータによれば、普通に眠れる人では想定された通りに自律神経系の活動が徐々に低下したが、不眠症の人では交感神経の過覚醒が常に検知された。」
- Hyperarousal and insomnia (1997) — 別の研究によれば、「ちゃんと」眠れる人でも 1 週間交感神経系が刺激されると、不眠症の人と同じように眠れなくなったことが示されています。
- この仮説を支持する他の研究: The hyperarousal model of insomnia: a review of the concept and its evidence (2010), Human physiological models of insomnia (2007), Autonomic Activation in Insomnia: The Case for Acupuncture (2011).
広い視点から捉えると…
自律神経系は、消化など身体が無意識に行う活動を管理する神経系の一部です。交感神経系の活性化(覚醒状態)のおかげで、敵に囲まれた外部環境の中でも人類は生存することができた(ノルアドレナリンの分泌、注意力の向上、筋肉の収縮、ケガに対処するためのコルチゾールの分泌)。一部の神経伝達物質は交感神経系を活性化させ、覚醒度や警戒心を上昇させます。このとき、外部からの刺激は、危険を察知するためのシグナルとしてより敏感に捉えられます。さらに、これらの刺激に対する反応は、副交感神経が優位(休息状態や消化中の状態)の時よりも強くなります。この状態になることは、常に危険な状況の中で生きていた太古の昔には有意義なことでしたが、現在はそのような状況に置かれることが圧倒的に少なく、特に眠ろうとする時にはそのような状況に置かれません。自律神経系が原因で起きる不眠症の問題を、メンテナンスの行き届いていない車の盗難アラームに例える人もいます。ごくわずかな刺激で作動してしまうのです。
メカニズムの詳細
結果を統合すると…
素早く眠りに落ちるためには、交感神経系の活動を抑えることが不可欠なようです。上で引用されたすべての研究で、不眠の問題を解決するためにはリラックスすることが推奨されています。最も効果的で、最も簡単に実施できる方法はどれでしょう?私たちは 2 つの方法を調査しました。メディテーション(呼吸を意識するもの)とヨガ(プラナヤマと呼ばれる呼吸法)です。これらの効果はよく知られており、数々の科学的研究でも研究対象になってきました。
自律神経系を調整するゆっくりとした呼吸
呼吸は、メディテーション(呼吸を意識するもの)やヨガ(プラナヤマと呼ばれる呼吸法)のようなプラクティスの核となるものです。これらのプラクティスは 70 年代から人々の興味を引くようになり、交感神経の活動を抑える効果があることが多くの研究により証明されています。メディテーションには決まった呼吸パターンがある訳ではありませんが、呼吸を意識すると必ずと言って良いほど、呼吸のリズムがゆっくりになります。ヨガでは、気持ちを落ち着けるために呼吸のスピードを遅くしたり、反対に、力強さをもっと感じるために呼吸を速くしたりします。
呼吸を遅くすることが自律神経系の活動に与える影響を理解することは、難しいかもしれません。血圧反射を刺激することの役割は何でしょう?過分極状態? — Physiology of long pranayamic breathing (2006) — もっと簡単に言えば、呼吸は人々が自律神経系を調節するためにできる限られた要素の1つですが、その事実にはより大きな意味合いがあるのかもしれません。 — Meditation & Neuroscience: from basic research to clinical practice (2010).
最適な呼吸リズム:1 分あたり 6 回
上で示した研究にあった 1 分あたり 6 回の呼吸は、心臓コヒーランスエクササイズと呼ばれるものにも使われており、これは自律神経系のバランスを回復させる効果があります。いつかの研究によれば、このリズムは血圧反射を最大限に刺激するリズムだということです。個人差はありますが、1 分あたり 6 回の呼吸は高い確率で誰にでも当てはまります。
血圧反射は圧受容器に対する刺激で起こります。圧受容器は主に大きな血管、大動脈、頸動脈にあります。動脈壁の膨張により刺激を受けた時に、圧受容器は迷走神経や副交感神経の活動を活性化・刺激するシグナルを送ります。
このグラフでは、呼吸回数を 1 分あたり 6 回まで減らすと、心拍変動(心拍間隔の変動)が大きく増えることがわかります。(心拍変動が多いほど、心臓の鼓動のリズムが(段階的ではなく)滑らかに変化し、これが眠りを誘う副交感神経の活動を示しています。)私たちは、製品を使いやすくするために、呼吸回数の設定を 1 分あたり 6 回よりも下げないことにしました。
特徴的なリズム:吸う時間が 40%、吐く時間が 60%
私たちはヨガの先生に相談し、息を吸う時間が息を吐く時間よりもなるようにすることを決めました。長く息を吐くことで、疲れの感覚をより感じるようになります。
この現象については、睡眠を専門とする内科医の先生が説明してくれました:息を吸う時間が吐く時間よりも長いと、放出される二酸化炭素の量が増えます。血中の二酸化炭素濃度が下がると、脳の血管も細くなります。この現象は血管収縮と呼ばれ、疲れの感覚を引き起こします。
この効果は、中程度の体内リズム障害(テレビを見ながら、何時間も横になっていても、疲れを感じない)の人に特に効果があります。この状態になる原因として、身体が十分なメラトニンを生成していないという場合があります。長く息を吐くことによる作用は、薬を使わない方法として効果があります。
意識を集中させることも役に立ちます
注意を 1 つの対象(メディテーションの時の呼吸や雨が落ちる音)に集中させると、リラックス効果があり、眠りに落ちることを助けます。
心臓外科医でハーバード大学の教授であるハーバート・ベンソン(Herbert Benson)氏は、心とからだの関係に対する研究の第一人者の 1 人です。自律神経系のバランスを整えるために様々な方法を研究してきました。研究した方法の 1 つが、超越瞑想法(頭の中でフレーズ(マントラ)を繰り返し唱えるもの)です。ベンソン氏は、リラックス反応を刺激するためにいくつかの条件を組み合わせました。そのうちの主な 2 つの条件は:
- 心的対象
- 受動的な(強制しない)態度
心的対象は、心によるサポートとして使われます。ベンソン氏によれば、音・言葉・フレーズ・視覚的対象などがこれに当たります。「例えば、音、言葉、フレーズなどが静かに繰り返される、または音として繰り返されるなど、一定の刺激があるべきである。対象を見つめ続けることも適している。この方法の明らかな目的は、他の刺激に対する注意を最低限に抑えることである。」 — Psychosomatic Medicine (1974)
ここで目指すのは、頭の中をこれらの対象で満たすことです。考え事をすることはストレス反応を引き起こし、交感神経系の活動低下を防いだり、覚醒中枢を刺激したりしますが、この方法で考え事が頭の中を巡ることを最低限度に抑えることを目指します。 それは良い映画を見ている時と似ています。覚醒中枢は刺激され、眠るのが難しい状態です。脳は目の前にある画像に「興味を持つ」状態になってしまいます。これは眠ろうとする時に脳が特定の考えに「興味を持つ」状態になってしまい、眠るのが難しくなることと同じです。
青い光によって繰り返されるシグナルによって、意識を向ける先を確実に提供し、退屈なもので興味深い考え事を置き換えます。
心理学
心理学的効果は意図的に取り入れられるものではないかもしれませんが、眠りに落ちるための興味深い要因であり、眠りに落ちることをさらに助けてくれるものです。
一部の人(すでにストレスが溜まっていて、眠りに問題を抱えやすい人)の中には、眠れなくなることを恐れるあまりに、自分を不眠症に仕立て上げてしまいます。不眠症が翌日に与える影響(例えば、試験や面接に対する影響)を心配し、遂行不安と呼ばれる状況を作り出してしまいます。この不安は眠りに落ちる障害になります。
不眠症における逆説志向とは、眠ろうとする代わりに、受け身になって起き続けることを言います。Dodow のユーザーが仰向けに横になって、目を開けながら、光のシグナルに合わせて呼吸を続けている時には、まさにこれと同じ状況が作られています。そうすることで、遂行不安は消え、簡単に眠れるようになるのです。
次の研究は逆説志向の効果を強調しています:「刺激制御療法、リラクゼーショントレーニング、認知行動療法などは、それぞれが慢性的な不眠症に効果的な治療法であり(診療基準より)、睡眠制限療法、複数要素を含む治療法(認知療法なし)、バイオフィードバック、逆説志向はそれぞれが慢性的な不眠症に効果的な治療法である(ガイドラインより)。」 — Practice parameters for the psychological and behavioral treatment of insomnia (2006)
ブルーライト
睡眠の専門家に対するインタビューでブルーライトに対する疑問が提示されました。通常、ブルーライトは概日サイクルを乱し、メラトニンの分泌を阻害するものだからです。
Dodow が概日リズムを乱すことはありません。
天井に照射された光のシグナルは、光度が最も強い時でも、ベッドに横たわっている人にとって非常に光度の小さい光(1 ルクス未満)となっています。コンピュータやテレビの画面から受ける高光度の光(50 cm の距離で約 60 ルクス)と比べると、その光の弱さがわかると思います。また、光を受ける時間(8〜20 分)も短いので安心です。
Dodow が概日リズムに与える影響はほとんどありません。少なくとも、光が弱すぎるせいで、眠りに落ちる時間を遅らせたり、上に書いたような利点に見合わない悪影響を受けたりすることはありません。光の輪は光っているというよりは、色がついているだけという感じです。
青い色を選ぶまでには数多くの実験が繰り返されており、最終的には、青は心を落ち着ける色だという認識が広く受けられていることから、この色を選びました。その認識は様々な研究で確認されています:Blue lighting accelerates post-stress relaxation (2017). この研究では様々な色を比較し、青い光を受けた後には肌のコンダクタンスが下がったことが示されています。
このエクササイズを自分ひとりでやるのは、なぜ難しいのでしょう?
適切なペースを見つけるのが難しく、それでストレスを感じてしまうこともありますし、それはベンソン氏が必要な条件として挙げた「受動的な態度」とは逆行してしまいます。
- 上手に眠ることができない人には、自分でリラックス反応を刺激することができない場合もあるでしょう。Dodow のスイッチを入れて、ベッドの近くに置いて使うだけで、そのプロセスはずっと簡単なものになります。
- 上手に眠ることができない人は、(交感神経系の活性化のせいで)意識を集中させることができず、エクササイズの途中で考え事を始めてしまうこともあるでしょう。Dodow があれば、8 分間はエクササイズの途中であることを忘れたりはしません。
- 自分で 1 分間あたり 6 回の最適なペースを作るのは、とても難しいことです。Dodow は 1 分間あたり 11 回から始めて、緩やかにそのペースに到達します。
天井に光を当てることで、Dodow は心的対象を作り出します。これによって、ユーザーは考え事をせずにいることができます。
結論
Dodow は、眠りを阻害する主な原因の 1 つに対する解決策です。使い方も簡単で、身体に悪影響を与えず、依存性もなく、お求め安い価格で、夜ならいつでも使えます。私たちの目標はこの製品を誰でも使えるものにし、内科医の先生が推奨できるような解決策を作り出すことです。